旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
目次
工場・プラント・倉庫などの産業現場では、「どの作業に、どれくらいの明るさ(照度)が必要か」を基準に沿って管理・記録することが、安全・品質・作業効率の土台になります。本記事では、屋内の照明基準を定める JIS Z 9125(屋内照明基準) と JIS Z 9110(照明基準総則) の考え方をふまえ、照度管理の実務(基準の捉え方 → 測定 → 記録・点検 → 是正)を順を追って整理します。
設備・安全衛生・品質管理のご担当者が、「自社現場の照度が基準を満たしているかを確認し、記録として残したい」場面で活用できる内容です。
照度管理とは、現場の各エリア・作業に必要な明るさ(照度)を基準に照らして把握し、測定・記録・是正を継続的に行う取り組みです。産業現場で重要とされる理由は次のとおりです。
照度は「不足」だけでなく「過剰」もエネルギー・グレアの観点で課題になります。適正値に管理することが目的です。
日本の屋内照明の基準は、主に次の2規格で整理されます。
JIS では、使用期間中に下回らないよう維持すべき平均照度を「維持照度(Em)」として示します。新設時だけでなく、ランプの経年劣化や汚れによる低下を見込んだうえで「使い続ける間、最低限この明るさを保つ」という管理の基準になります。
JIS Z 9125:2023 は、従来(2007年版)に対し輝度に関する基準が新たに追加されました。これにより、規格が定める輝度等の条件を満たす場合に限り、一部のオフィス空間などで推奨照度の緩和が認められることがあるとされています。緩和の適用は自己判断せず、必ず規格本文の条件を確認してください。
照度(ルクス)だけでなく、次の指標も「見やすさ・快適性」を左右します。
| 指標 | 概要 |
|---|---|
| 照度均斉度 | 作業面内の明るさのムラの程度 |
| 不快グレア(UGR) | まぶしさの不快感を評価する指標 |
| 演色性(Ra など) | 物体色の見え方の忠実度 |
各作業区分の推奨照度の具体的な数値(ルクス)は作業内容ごとに細かく定められています。本記事では数値を断定せず、JIS Z 9110:2024 / JIS Z 9125:2023 の本文でご確認ください。
現場を「通路・倉庫・組立・検査・制御室」などの区域/作業に分け、それぞれに対応する作業区分をJISから割り当て、目標照度(と品質要件)を設定します。
測定値を基準適合の記録として用いる場合、測定器の校正(トレーサビリティ)と測定条件の妥当性が重要になります。
測定値を台帳化し、基準値との差異・判定・是正履歴を残します。定期点検(例:年次)と、照明更新・レイアウト変更時の都度測定を組み合わせます。点検頻度は法令・社内規程・設備状況により異なります。
基準を下回る場合は、照明器具の更新・配置見直し・清掃(照明・反射面の汚れによる低下)・ランプ交換などで是正し、再測定で確認します。
各項目の具体値・運用は、適用するJIS本文と社内規程の確認が前提です。照度計・分光放射照度計の校正や測定条件のご相談を承っています。
Q1. 工場の照度基準はどの規格を見ればよいですか?
A1. 屋内作業場の照度・品質要件は JIS Z 9125(屋内照明基準)、照明設計の総則的な考え方は JIS Z 9110(照明基準総則) が広く参照されます。作業区分ごとの推奨照度が示されているため、現場の作業内容に応じて目標値を設定します。具体的な数値・適用は規格本文と現場条件の確認が必要です。
Q2. JIS Z 9125 は照度(ルクス)以外に何を定めていますか?
A2. 推奨照度に加え、照度均斉度・不快グレア(UGR)・演色性などの品質要件を規定しています。2023年改正では輝度に関する基準が追加され、規格が定める条件を満たす場合に限り推奨照度の緩和が認められることがあります。適用条件は自己判断せず規格本文でご確認ください。
Q3. 照度はどのくらいの頻度で測定・点検すべきですか?
A3. 法令・社内規程・設備の経年により異なりますが、定期点検と、照明更新・レイアウト変更時の都度測定を組み合わせる運用が一般的です。測定値は台帳化し、基準との差異を管理します。具体的頻度は適用法令・社内基準の確認が必要です。
Q4. 照度測定は自社でできますか、外注すべきですか?
A4. 簡易な確認は校正済み照度計で自社測定も可能ですが、基準適合の記録・トレーサビリティが求められる場合は、校正された測定器・適切な測定条件での実施が重要になります。照度計・分光放射照度計の校正や測定条件のご相談も承っています。
工場・プラントの照度測定や、照度計・分光放射照度計の校正に関するご相談を承っています。現場条件・測定目的をお知らせください。
本記事は上記の公開情報に基づく一般的な解説です。作業区分別の推奨照度(ルクス)の具体値や適用は、JIS本文(最新版)と社内規程の確認によってください。
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