旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
玩具の年齢区分(乳幼児用玩具)と光源の安全規格は別制度です。年齢区分が規律する範囲と光の要求の所在、確認手順をチェックリスト付きで整理します。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
目次
玩具の光安全性を調べる過程で「年齢区分によって光に関する要求は変わるのか」という疑問に行き着く方は少なくありません。玩具の制度を確認すると、消費生活用製品安全法が定める「乳幼児用玩具(3歳未満=36ヶ月未満向け)」という年齢の軸と、電気玩具・光源側の規格が扱う光の軸は、別々の枠組みとして存在しています。この記事では、年齢区分が実際に何を規律しているのかを整理したうえで、光に関する要求がどこに存在し得るかを示し、品質保証担当者が着手前に確認すべき手順をまとめます。玩具安全基準の全体像は子供たちの笑顔を守る盾:玩具安全基準とは?光源製品への適用と最新動向で、海外規制との比較は世界の玩具を安全に楽しむための羅針盤:海外の玩具規制と日本の法規制との比較でそれぞれ扱っており、本記事では年齢区分との関係という切り口に絞って扱います。
玩具の安全基準を調べていくと、多くの場面で「対象年齢」という言葉に行き当たります。この年齢という切り口が、光・LED・点滅光の扱いにもそのまま当てはまると考えるのは自然な発想です。しかし実際に条文を確認すると、年齢区分と光学的要求は別の系統に属していることが分かります。まずは、年齢区分そのものがどの法令でどう定義され、何を規律しているのかを確認します。
消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31号、令和6年法律第67号改正)により、3歳未満向けの玩具は「乳幼児用玩具」として子供用特定製品に指定されました。施行日は令和7年12月25日(2025年12月25日)であり、本日時点(2026年7月25日)ですでに施行から約7か月が経過しています。同日以降に製造・輸入される乳幼児用玩具には「子供PSCマーク」の表示が必須です。関連する主な条文は、事業届出(第6条)、技術基準適合義務(第11条第1項)、検査記録の作成・保存(第11条第2項)、使用年齢基準適合(第12条の2第1項)、使用に関する注意文言の表示(第12条の2第2項)、子供PSCマーク表示(第13条第1項・第3項)です。技術基準省令 別表第一の二は「使用に適した年齢」の設定について、①合理的根拠に基づくこと、②広告表示と矛盾しないこと、③類似製品の下限年齢を上回らないこと、④保護者が製品の機能・寸法等から合理的に推測できる年齢の下限を上回らないこと、という4要件を定めています。別表第二の二では、乳幼児用玩具すべてに「使用に適した年齢」表示と「保護者が見守る旨」の表示を求めています。なお、これらの条文は経済産業省のPDFに直接アクセスできなかったため、一般社団法人日本玩具協会「改正消安法『乳幼児用玩具』対応の手引き」(2025年7月版)に引用された条文を通じて確認したものです。この点は帰属として明記しておきます。
ここが本記事の出発点です。技術基準省令の該当箇所(別表第一・第一の二・第二の二・第五)を確認した範囲では、光・LED・点滅光・光生物学的安全性に関する条項は含まれていません。ST検査結果報告書の実例には、ISO 8124-1 箇条(clause)4.2「三才未満の誤用試験」という項目が存在しますが、これは小部品の誤飲・窒息など機械的危害を対象とした試験です。つまり「3歳未満」という年齢境界は、機械的リスクを主眼に置かれた区分であり、光への感受性を根拠として設定された区分ではないと読み取れます。解釈通達では、「使用に適した年齢」の合理的根拠として、ISO/TR 8124-8:2024またはASTM F963-23 Annex A1に沿った設定であれば説明できる旨が示されています。ただし同通達自体が「ISO/TR 8124-8:2024はあくまで使用開始最少年齢の目安であり、カテゴリー内の全玩具に一律適用されるものではない」と注記しており、これも機械的・発達的な使用適性の話であって、光学的要求の話ではありません。この整理を踏まえたうえで、次章では光に関する要求がどこに存在し得るかを見ていきます。
前章で確認した通り、消費生活用製品安全法の年齢区分は誤飲・窒息・機械的危害を規律する枠組みであり、光学的要求とは別軸です。一方で、玩具の光源に関する要求そのものが存在しないわけではなく、電気玩具規格や光源規格側には確かに存在します。ただし、それらが玩具の年齢区分にどう適用されるかの関係は、今回の調査では確定できていません。この2つの軸を混同しないことが、確認作業を進めるうえでの前提になります。
表1: 年齢区分別に確認すべき観点の比較表
玩具の年齢区分は、消費生活用製品安全法上「乳幼児用玩具(3歳未満向け玩具)」という確定した区分が存在する一方、光・LEDに関する要求は、この年齢区分とは別立ての枠組み(玩具の電気安全規格や光源規格側)に存在すると考えられます。「年齢区分」の軸と「光学的要求」の軸は制度上別物であり、下表もこの2軸を混同しないよう整理しています。36ヶ月以上・就学前・学齢期という細分は本記事側の便宜的な整理であり、確定した規格上の区分ではありません。
| 年齢区分 | この年齢区分の制度上の位置づけ | この年齢区分に固有の光学的要求の有無 | 関連しうる枠組み |
|---|---|---|---|
| 36ヶ月未満(乳幼児用玩具=消費生活用製品安全法上の確定区分) | この区分は消費生活用製品安全法における「乳幼児用玩具」の定義に基づく確定した年齢境界です。区分の主たる根拠は誤飲・窒息・機械的危害(ST検査実例におけるISO 8124-1 箇条4.2「三才未満の誤用試験」等)であり、光・LEDへの感受性を根拠とした区分ではないことが確認されています。光源要求が年齢区分と直接紐づく制度的根拠は見つかっていません | 光源ユニット(電池部・LED部)の物理的安全性(誤飲・破損時の露出等)は消安法・ST基準の機械的安全性の枠内で扱われ得ます。光生物学的安全性(発せられた光が眼・皮膚に及ぼす影響に関する安全性)については、この年齢区分に固有の技術基準は確認できておらず、玩具側規格(EN IEC 62115等)または光源側規格(IEC 62471等)が年齢区分とは独立に関係し得ます | 消費生活用製品安全法(乳幼児用玩具、子供PSCマーク表示義務、2025年12月25日施行済み)、ST基準、ISO 8124-1(誤用試験の文脈・機械的要求) |
| 36ヶ月以上〜就学前(目安、本記事側の便宜区分) | 消安法上の「乳幼児用玩具」区分の対象外となる年齢帯です。この年齢帯固有の制度上の位置づけ(光学的要求を含む)は確認できていません | この年齢区分に固有の光学的要求は確認できていません。光源種別(点滅光・LED等)に応じた確認事項は、年齢区分とは独立に表2・第3章をご参照ください | ST基準、EN IEC 62115(玩具規格側からLED等の光放射源を扱う可能性。出典は認証機関・CENELEC広報の解説記事であり規格原文は未参照)(要確認) |
| 学齢期以上(目安、本記事側の便宜区分) | 自律的な操作・長時間使用が想定される年齢帯ですが、これを理由とした制度上の位置づけの違い(光学的要求を含む)は確認できていません | この年齢区分に固有の光学的要求は確認できていません。レーザー光源等の光源種別に応じた確認事項は、年齢区分とは独立に表2・第3章(3.2節)をご参照ください | ST基準、(レーザー使用製品の場合)IEC 60825-1の考え方、米国FDA/CDRHガイダンス「Minimizing Risk for Children’s Toy Laser Products」(2014年12月19日最終版。法的拘束力のないガイダンス、FDA Class I 又は IEC 60825-1 Class 1 の出力限度内に収めることを推奨) |
※36ヶ月(3歳)の境界は消費生活用製品安全法上の確定区分として扱ってよいものですが、その他の細分(就学前/学齢期)は本記事側の便宜的な整理であり、規格が採用する区分そのものではありません。
※(要確認)の項目は一次情報での裏取りができていません。
表1は「年齢区分が変わると光の扱いも変わる」ことを示す表ではなく、逆に「年齢区分の根拠と光学的要求は別軸である」ことを可視化するための表です。品質保証の実務では、まず自社製品が乳幼児用玩具に該当するかを消安法の基準で判定します。次に、光源の有無に応じて、年齢区分とは独立に次章(表2・第3章)の枠組みを確認する、という2段階の手順で進めることが実態に即しています。
年齢の軸と光の軸が別であることを踏まえると、次に必要なのは「光に関する要求はどの枠組みに存在し得るか」の整理です。玩具の光源に関連し得る枠組みは複数にまたがり、それぞれ着眼点・情報の確度が異なります。以下は各枠組みの位置づけを整理したものであり、一次情報で確認できた事項・準一次情報にとどまる事項・未確認事項を区別して記載しています。
表2: 玩具に関わりうる枠組みと光源の位置づけ整理表
| 枠組み(例) | 主な着眼点 | 光源・LEDとの接点 | 年齢区分との関係 |
|---|---|---|---|
| 消費生活用製品安全法(乳幼児用玩具) | 乳幼児用玩具(3歳未満向け)を「子供用特定製品」に指定し、事業届出・技術基準適合・検査記録・使用年齢基準適合・子供PSCマーク表示を義務化。2025年12月25日施行済み(一次情報で確認済み) | 技術基準省令の該当箇所(別表第一・第一の二・第二の二・第五)を確認した範囲では、光・LED・点滅光・光生物学的安全性に関する条項は含まれていません | 3歳未満という年齢区分そのものを法的に確定させている枠組みです。ただし区分の根拠は誤飲・窒息等の機械的危害であり、光学的要求とは別軸です |
| STマーク(玩具安全基準) | 玩具全般の物理的・化学的・可燃安全性等を対象とする自主基準の枠組み | ST検査結果報告書の実例に、光・LEDの光学的安全性ではなく、ISO 8124-1 箇条4.2「三才未満の誤用試験」という機械的試験項目が確認されています。ST基準本文における光・LED関連条項の有無は未確認(有償規格・未入手) | 「三才未満」という年齢区分に応じた試験区分が存在しますが、これは機械的安全性(誤用試験)の文脈であり、光学的要求ではない点に注意が必要です |
| 電気用品安全法 | 電気用品としての技術基準適合・事業届出・表示義務 | 電池内蔵の光源ユニットが対象品目に該当する場合の技術基準(要確認) | 年齢区分そのものより、電気用品としての該当性が判断軸になると考えられます(要確認) |
| EN IEC 62115(電気玩具の安全性) | 電気玩具全般の安全性を扱う欧州規格。レーザーを除けば、今回の調査で見つかった中で玩具の一般的な光放射源(LED等)を直接扱う数少ない枠組みです | 認証機関等の解説によれば、Annex Eにおいて光放射源(特にLED)を組み込んだ玩具の要求事項を規定し、LEDについてEN 62471を参照する形に改訂されたとされています(2005年版まではEN 60825-1参照)。出典はTÜV SÜD/CENELEC広報/QIMA等の解説記事のみで、規格原文は未参照です(要確認) | 年齢区分との関係は未確認です(要確認) |
| IEC 62471 | ランプ・LED光源の光生物学的安全性(リスクグループ分類等)を扱う規格 | 本規格はランプ・光源・照明器具向けに書かれており、「玩具」を適用範囲として明記した一次記述は確認できていません。玩具への適用はEN IEC 62115等の玩具側規格からの参照を介する可能性があります(要確認) | 使用距離等を含む使用条件が評価に関係し得ますが、玩具の年齢区分との直接的な結びつきは未確認です(要確認) |
| IEC 60825-1 | レーザー製品のクラス分類・安全性 | 玩具にレーザー光源が使用される場合に関係します。米国FDA/CDRHガイダンス(2014年、法的拘束力なし)がClass 1相当への収まりを推奨しています | FDA/CDRHガイダンスが「子供向け玩具レーザー製品」という製品カテゴリを対象としていますが、同ガイダンスが対象年齢をどう定義しているか、またIEC 60825-1側に年齢に関する概念があるかは未確認です(要確認) |
| ISO 8124・EN 71 | 玩具の安全性に関する国際・欧州規格シリーズ | EN 71は複数パートに分かれるシリーズであり、今回確認できた範囲では光学的要求の本文所在は特定できていません。シリーズ全体は未確認です(要確認) | 海外展開時に対象年齢区分の考え方が国内基準と異なる可能性があります(要確認) |
※(要確認)の項目は一次情報での裏取りができていません。
※条文の確認経路は1.1節に記載のとおり(日本玩具協会の手引きに引用された条文経由)です。
表2で示した通り、玩具のLED・点滅光に関して今回の調査で見つかった数少ない直接的な接点が、EN IEC 62115のAnnex Eです(レーザーについては3.2節で別途扱います)。認証機関等の解説によれば、同附属書は光放射源(特にLED)を組み込んだ電気玩具について、LEDに関してはEN 62471を参照する構成に改訂されたとされています。ただしこれは規格原文を直接確認できたものではなく、TÜV SÜDやCENELEC、QIMA等の解説記事を出典とする情報です。この点は特定できていないため、実務判断の際は規格原文または認証機関へ直接ご確認ください。IEC 62471自体はランプ・LED光源の光生物学的安全性(リスクグループ分類)を扱う規格ですが、「玩具」を適用範囲として明記した一次記述は確認できていません。したがって、玩具メーカーがLEDを採用する場合、EN IEC 62115の該当性とAnnex Eの参照関係を、規格原文または認証機関への確認を通じて個別に判断することが実務上の対応になります。
なお、リスクグループ分類として評価される事項と、点滅・明滅による光過敏性発作のリスクは、別の観点として扱う必要があります。リスクグループ分類の結果をもって点滅パターンの妥当性まで説明できるとは限らない点にご留意ください。光過敏性発作については医学文献・啓発団体の情報は見つかりましたが、玩具の安全規格(ST・EN 71・ISO 8124・ASTM F963)本文における明示的な言及は特定していません。実務判断の際は、規格原文および所管省庁の公表情報をご確認ください。
レーザー光源を使用する玩具については、米国FDA/CDRHが「Minimizing Risk for Children’s Toy Laser Products」(2014年12月19日最終版)というガイダンスを公表しており、玩具用レーザー製品をFDA Class IまたはIEC 60825-1のClass 1の出力限度内に収めることを推奨しています。ただしこれは法的拘束力のあるルールではなく、業界向けの勧告(ガイダンス)である点に注意が必要です。国内において、レーザー玩具に特化した年齢別・出力別の規制が存在するかどうかは、今回の調査範囲では特定していません。実務判断の際は、規格原文および所管省庁の公表情報をご確認ください。レーザー光源を採用する場合は、IEC 60825-1のクラス分類の考え方を踏まえつつ、国内の該当規制の有無を個別に確認することをおすすめします。
消費生活用製品安全法の乳幼児用玩具規制、玩具の電気安全規格、光源規格という複数の枠組みにまたがる論点を踏まえ、着手前に確認しておきたい項目を整理しました。個別の該当性判断や基準充足を保証するものではありません。
表3: 【チェックリスト】年齢区分別 確認ポイント
※本チェックリストは年齢で分岐する構成ではありません。冒頭の項目で年齢区分(乳幼児用玩具)の該当性を判定し、以降は光源の有無・光源種別に応じて年齢区分とは独立に確認する構成です。
| チェック欄 | 確認項目 | 確認先の目安 |
|---|---|---|
| □ | 自社玩具が消費生活用製品安全法上の「乳幼児用玩具(3歳未満向け)」=子供用特定製品に該当するか | 消費生活用製品安全法 第2条・「子供用特定製品」指定 |
| □ | 該当する場合、事業届出(法第6条)・技術基準適合(法第11条第1項)・検査記録の作成保存(法第11条第2項)の履行状況 | 消費生活用製品安全法 第6条・第11条 |
| □ | 「使用に適した年齢」の設定根拠(法第12条の2第1項)が、合理的根拠に基づき広告表示と矛盾しないか | 技術基準省令 別表第一の二 |
| □ | 「使用に適した年齢」の合理的根拠として、ISO/TR 8124-8:2024 又は ASTM F963-23 Annex A1 に沿った設定を行っているか | 解釈通達(ISO/TR 8124-8・ASTM F963-23 Annex A1を引用) |
| □ | 乳幼児用玩具の注意文言表示(使用に適した年齢・保護者が見守る旨)が付されているか(法第12条の2第2項、別表第二の二) | 技術基準省令 別表第二の二 |
| □ | 該当する場合、「子供PSCマーク」の表示(法第13条第1項・第3項)が付されているか | 消費生活用製品安全法 第13条 |
| □ | 改正により技術基準省令に光・LED関連条項が追加されていないかの定期確認 | 技術基準省令(確認した範囲=別表第一・第一の二・第二の二・第五に該当条項なし) |
| □ | 電池を用いる光源ユニットが、電気用品安全法上の対象品目に該当するかの確認 | 電気用品安全法施行令 別表 |
| □ | EN IEC 62115(電気玩具の安全性)Annex Eの該当性、LED光放射源についてEN 62471参照の要否 | EN IEC 62115(規格原文未参照、認証機関解説のみ)(要確認) |
| □ | レーザー光を使用する玩具が含まれる場合、FDA/CDRHガイダンス(Class 1相当)又はIEC 60825-1クラス分類との整合 | FDA/CDRHガイダンス(2014)、IEC 60825-1 |
| □ | ST基準における誤用試験(ISO 8124-1 箇条4.2「三才未満の誤用試験」等)の該当性 ※機械的試験であり光学的要求ではない点に留意 | ST検査結果報告書の実例 |
| □ | 海外展開がある場合、ISO 8124・EN 71等、輸出先地域の枠組みとの重複・差異の把握(光学的要求の本文所在は未確認) | ISO 8124・EN 71(要確認) |
| □ | 対象年齢の異なる複数バリエーション(同一玩具の年齢帯違い等)がある場合、光源仕様・年齢表示の整合性 | 自社製品仕様 |
| □ | 部品単体(LEDモジュール等)で調達する場合、部品メーカーからの安全性データの入手 | サプライヤー提供資料 |
| □ | 対象年齢別・光源関連の要求事項について、一次情報(規格原文・所管省庁情報)を確認したかの記録管理 | 各規格原文・所管省庁 |
| □ | 測定・試験が必要と判断した場合の、試験機関・相談先の選定状況 | 登録試験機関等 |
※(要確認)の項目は一次情報での裏取りができていません。
Q1: 年齢区分によって玩具の光安全性の要求事項は変わるのですか?
A1: 今回の調査範囲では、消費生活用製品安全法の年齢区分(乳幼児用玩具=3歳未満)は誤飲・窒息・機械的危害を規律するものであり、光学的要求が年齢区分別に定められているという制度的根拠は確認できませんでした。技術基準省令の該当箇所にも光・LED関連の条項は含まれていません。一方で、光源に関する要求がEN IEC 62115やIEC 62471といった別の規格側に存在し得ることは表2の通りです。「年齢が上がるほど光の要求が緩くなる/厳しくなる」といった単純な対応関係は、現時点の一次情報からは読み取れません。
Q2: 玩具の対象年齢の区分はどこで定義されているのですか?
A2: 消費生活用製品安全法上、「乳幼児用玩具」は3歳未満向けの玩具として確定的に定義されており、これは一次情報で確認できています。技術基準省令 別表第一の二は、使用に適した年齢の設定根拠として4要件を定め、解釈通達はその合理的根拠の例としてISO/TR 8124-8:2024またはASTM F963-23 Annex A1に沿った設定を挙げています。ただし、これらのISO/TR・ASTM文書そのものの原文は本記事執筆時点で未読であり、解釈通達に引用された範囲での確認にとどまる点にご留意ください。
Q3: LED・点滅光を使う玩具で注意すべき点は何ですか?
A3: 認証機関等の解説によれば、EN IEC 62115のAnnex Eが光放射源(特にLED)を組み込んだ玩具の要求事項を規定し、LEDについてEN 62471を参照する形に改訂されたとされています。ただし規格原文は未参照であり、この点は特定できていません。実務判断の際は規格原文または認証機関へ直接ご確認ください。また、光過敏性発作は医学文献・啓発団体側で扱われている論点であり、玩具の安全規格本文における明示的な言及は今回特定していません。なお、リスクグループ分類として評価される事項と、点滅・明滅による光過敏性発作のリスクは別の観点であり、リスクグループ分類の結果をもって点滅パターンの妥当性まで説明できるとは限りません。LED・点滅光を使用する製品では、EN IEC 62115の該当性を規格原文または認証機関へ確認することをおすすめします。
Q4: レーザー光を使う玩具について確認すべきことはありますか?
A4: 米国FDA/CDRHのガイダンス(2014年12月19日最終版)が、玩具用レーザー製品をFDA Class IまたはIEC 60825-1のClass 1の出力限度内に収めることを推奨しています。ただしこれは法的拘束力のあるルールではなく業界向けの勧告です。国内でレーザー玩具に特化した年齢別・出力別の規制が存在するかどうかは、今回の調査範囲では特定していません。実務判断の際は、規格原文および所管省庁の公表情報をご確認ください。レーザー光源を採用する場合は、IEC 60825-1のクラス分類の考え方を踏まえた個別確認が必要です。
玩具の光安全性を考えるうえでは、「年齢の軸」と「光の軸」が制度上別々に存在するという前提を持つことが重要です。消費生活用製品安全法の乳幼児用玩具区分(3歳未満、子供PSCマーク表示義務、2025年12月25日施行済み)は誤飲・窒息・機械的危害を規律しており、技術基準省令にも光学的要求は含まれていません。光に関する要求は、EN IEC 62115やIEC 62471、IEC 60825-1といった別の規格系統に存在します。ただし、それらが玩具にどう適用されるか、また玩具の年齢区分とどう結びつくかについては、今回の調査では確定できませんでした。品質保証担当者としては、まず消安法の該当性を年齢区分で判定し、そのうえで光源の有無に応じて別枠組みを確認する、という順序で進めるのが実務に即しています。玩具安全基準の全体像は子供たちの笑顔を守る盾:玩具安全基準とは?光源製品への適用と最新動向、海外規制との比較は世界の玩具を安全に楽しむための羅針盤:海外の玩具規制と日本の法規制との比較を、それぞれあわせてご確認ください。
自社玩具の光源に関する確認事項の整理や、測定・試験のご相談は、お気軽にお問い合わせください。
一次情報
準一次情報
(確認日: 2026-07-25)
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 乳幼児用玩具 | 消費生活用製品安全法上、3歳未満の乳幼児を対象とする玩具として「子供用特定製品」に指定される区分。2025年12月25日施行済み |
| 子供PSCマーク | 乳幼児用玩具(子供用特定製品)に、事業届出・技術基準適合・使用年齢基準適合等の義務履行後に付す表示(法第13条第1項・第3項) |
| EN IEC 62115 | 電気玩具の安全性に関する欧州(IEC系)規格。Annex Eで光放射源(特にLED)を組み込んだ玩具の要求事項を規定するとされるが、本記事執筆時点では規格原文は未参照で、認証機関等の解説記事を出典とする(要確認) |
| リスクグループ | IEC 62471が用いる、光放射の測定結果と被曝限界値の比較にもとづく製品側の分類。使用者の年齢は分類の入力条件ではない |
| 光過敏性発作 | 強い光刺激や特定の点滅パターンにより誘発され得るとされる発作。医学文献・啓発団体で扱われる論点であり、玩具の安全規格本文における明示的な言及は特定していない(要確認) |
| ISO/TR 8124-8 | 玩具の「使用に適した年齢」判定に関する技術報告書。消費生活用製品安全法の解釈通達において、年齢設定の合理的根拠として言及される |
| ASTM F963 Annex A1 | 米国の玩具安全規格ASTM F963における年齢判定基準の附属書。解釈通達で合理的根拠の一つとして言及される |
| IEC 62471 | ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性を扱う国際規格。一般照明・光源製品向けに書かれており、玩具への適用を明記した一次記述は確認できていない |
| IEC 60825-1 | レーザー製品の安全性に関する国際規格。クラス分類により取扱い上の注意が異なる |
| ISO 8124 / EN 71 | 玩具の安全性に関する国際規格・欧州規格のシリーズ。複数パートに分かれ、光学的要求の本文所在は特定していない(要確認) |
※(要確認)の項目は一次情報での裏取りができていません。
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