旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
光源製品の安全性を保証するためには、特定の認証マークの取得が必要です。その中でも特に重要なのが、日本のPSEマークと欧州のCEマーキングです。これらのマークは、製品が適用される安全基準および規格に準拠していることを示す証明となります。本記事では、PSEマークとCEマーキングの主な違いと、これらを取得するためのプロセスについて解説します。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
PSEマークは、日本の電気用品安全法(PSE法)に基づいて、電気製品の安全性を証明するために必要な認証マークです。このマークは、製品が日本国内で販売される前に必要な安全基準を満たしていることを示します。PSEマークには二種類があり、一つは「特定電気用品」のためのもので、もう一つは「非特定電気用品」のためのものです。特定電気用品には、より厳格な安全基準が適用されます。
製品のメーカーや輸入業者は、まず、製品がPSE法の対象であるかを確認し、対象製品であれば、認証を取得するための申請を行います。この段階で、製品のカテゴリーに応じて必要な書類を準備し、第三者認証機関に提出します。
申請が受理されると、製品は安全性を検証するための一連の試験を受けます。これらの試験は、電気的安全性だけでなく、放射能や化学物質のリスク評価を含む場合もあります。試験は認定された第三者機関によって実施され、製品がすべての必要基準を満たしているかを確認します。
試験が完了すると、第三者機関は試験結果を評価し、製品が安全基準に適合しているかを判断します。この評価に基づき、適合すると認定された製品にはPSEマークが付与されます。
最終的に、製品はPSEマークを表示することが許可され、日本国内で販売することができます。PSEマークが付与された製品は、消費者に対して、製品が安全であることを保証します。
CEマークは「Conformité Européenne(ヨーロッパの適合性)」の略であり、製品がEUの安全基準に適合していることを示すマークです。このマークがあることで、製品はEUおよび欧州経済地域(EEA)内で合法的に販売されます。
CEマークは、製品が欧州連合の安全、健康、環境保護の要件を満たしていることを示し、5億人以上の消費者へのアクセスを可能にします。CEマークがない製品は、販売禁止やリコールの対象となる可能性があります。
製造者、輸入者、代理人、流通業者の各事業者がそれぞれの役割に応じてCEマーキングの責任を負います。製造者は製品の適合性評価に責任を持ち、輸入者は製造者の適合性評価の確認を行い、流通業者はCEマークの存在を確認します。
適合性評価は設計フェーズと製造フェーズに分かれ、製造者自身で行う自己宣言と、第三者機関による評価があります。
テュフズードは、CE認証取得のための試験サービスを提供し、技術文書の作成をサポートします。製品試験、CE認証、技術文書の提供を通じて、迅速かつ確実なCEマーキングの取得を支援します。
CEマーキングの取得プロセスは、製品の種類によって異なりますが、一般的には以下のステップに分けられます。
製品に適用されるEUの指令や規則を特定します。これには、製品の安全性、健康、および環境保護に関連する要件が含まれます。
製品に必要な適合性評価手続きを決定します。このプロセスには、自己宣言や第三者機関による評価が含まれる場合があります。
製品が関連するEU指令や規則に適合していることを証明するための技術文書を作成します。これには、設計、製造、および性能評価に関する詳細が含まれます。
製品が関連するすべてのEU指令や規則に適合していることを宣言する適合性宣言を作成します。
製品にCEマーキングを表示します。このマーキングは、製品がEUの基本要件を満たしていることを示すものです。
PSEマークは、日本国内で販売される電気製品に対して必要とされる認証マークです。これは、製品が日本の電気用品安全法(PSE法)に定められた安全基準を満たしていることを示します。
CEはフランス語のConformité Européenneの略語で、英語では「ヨーロッパの適合性」と訳されています。CEマーキングは、欧州連合(EU)および欧州経済領域(EEA)内で販売される製品に適用されます。このマーキングは、製品がEUの健康、安全、環境保護に関する広範な指令や規則を満たしていることを示します。
PSEマークとCEマーキングは、それぞれ異なる安全基準と要件に基づいています。
適合性評価手順: PSEは日本の特定基準に基づいた適合確認が必要であり、CEは自己宣言または第三者評価に基づいた適合確認が必要です。
安全基準の範囲: PSEは主に電気安全に焦点を当てているのに対し、CEは健康、安全、環境保護の基準を広範にカバーしています。
PSEマークを取得するためには、製品が認定された第三者認証機関によって行われる一連の試験に合格する必要があります。このプロセスは、製品が日本の安全基準に適合していることを証明するために必要です。
CEマーキングの取得では、製品によっては製造者の自己宣言によって適合性が証明されます。しかし、特定のカテゴリーの製品(例えば、医療機器や建設製品)については、第三者機関による評価が必要とされる場合があります。
PSEマークとCEマーキングは、それぞれの適用地域内で製品が安全基準に適合していることを消費者に視覚的に伝えるために使用されます。これらのマークは、製品のパッケージや本体に表示され、消費者の信頼と安心を提供します。
PSEマークとCEマーキングは、製品の安全性を証明するための重要なマークです。製品を国内外で販売するには、それぞれのマーケットが要求する認証マークの取得が不可欠であり、製品の安全性と信頼性を消費者に保証する手段となります。製品開発者は、目指す市場に応じて適切な認証取得のプロセスを理解し、遵守する必要があります。
参考文献
専門用語解説
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