光の種類とその安全性:可視光・紫外線・赤外線を比較する

JIS Q 17025(ISO/IEC 17025)認定校正機関

光は私たちの身の回りにある自然現象のひとつであり、その種類によって生体への影響も大きく異なります。本記事では、可視光・紫外線・赤外線という代表的な3種類の光に焦点を当て、それぞれの特徴、応用例、そして光安全性に関するポイントを比較形式で解説します。すでに「可視光の利用」や「人体系への影響」に関する情報は提供されていますが、本稿では光種別の比較と応用、リスク区分に着目し、より実践的な安全対策の視点を提供します。

この記事の監修

山西 幸男

旭光通商株式会社 取締役

山西 幸男

光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。

光の分類:波長による区分

光の種類波長範囲特徴
紫外線 (UV)約100〜400nmエネルギーが高く、殺菌・硬化・皮膚への影響が強い
可視光約380〜780nm人の目に見える光で、照明・視覚認識に利用される
赤外線 (IR)約780nm〜1mm熱を持ち、リモコン・加熱・センサーに使われる

紫外線:見えないが強力な光

2.1 応用例

  • 殺菌ランプ(医療・食品加工)
  • UV硬化樹脂(工業)
  • 日焼けマシン、ブラックライト

2.2 光安全性のポイント

  • 角膜炎や皮膚がんのリスクあり
  • 長時間曝露を避け、保護具の使用が必須
  • IEC 62471でリスクグループ2または3に分類される場合が多い

可視光:日常で最も馴染み深い光

3.1 応用例

  • 一般照明(白熱灯、LED)
  • ディスプレイ(スマートフォン、パソコン)
  • 医療機器(可視光診断)

3.2 光安全性のポイント

  • 青色光は「ブルーライトハザード」として網膜に影響する可能性
  • 高輝度光は視覚障害リスクもある
  • 適切な照度設計とフィルタ使用が推奨される

赤外線:見えない熱の放射

4.1 応用例

  • リモコンやセンサー(近赤外)
  • サーモグラフィ(遠赤外)
  • 暖房器具や加熱装置

4.2 光安全性のポイント

  • 長時間の赤外線曝露は熱傷のリスクあり
  • 目に見えないため、不意の曝露に注意
  • IEC 62471では皮膚や角膜への熱影響が評価対象

光種別によるリスク評価の違い

光の種類主な評価指標代表的なリスク主な規格
紫外線放射照度(W/m²)皮膚障害・眼障害IEC 62471, ISO 15858
可視光ブルーライト加重照度視覚疲労・網膜障害IEC 62471
赤外線熱量・曝露時間熱傷・角膜損傷IEC 62471

まとめ

光には種類があり、それぞれ波長やエネルギーが異なるため、安全性評価も一律ではありません。紫外線、可視光、赤外線はそれぞれ異なるリスクを持ち、用途に応じた対策が求められます。光安全性を確保するには、正しい知識と規格に基づいた管理が不可欠です。

用語解説

  • 波長:光の周期的な繰り返しの長さ
  • 放射照度:単位面積あたりに照射される光のエネルギー密度
  • ブルーライト:可視光の中でも波長の短い青色光(約400〜500nm)

参考文献

最短7日間で校正完了光安全性の測定のご相談はこちら

TEL03-6371-6908 (平日9:00 ~ 17:00) お問い合わせフォーム
Translate »