旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
紫外線(UV)や可視光線が皮膚に与える影響は古くから知られており、特に化粧品や医薬部外品に含まれる成分が光に反応することで、皮膚に有害な反応を引き起こす「光毒性」が問題視されています。近年では、製品の国際展開や規制強化に伴い、光毒性評価の重要性が一層高まっています。本記事では、最新の評価ガイドラインに基づき、化粧品・医薬部外品における光毒性の基本と試験法について解説します。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
光毒性とは、ある化学物質が紫外線や可視光線の照射を受けた際に、皮膚で反応性の高い物質を生成し、赤みや腫れ、炎症などの毒性反応を引き起こす現象です。似た用語に「光アレルギー(光感作性)」がありますが、これは免疫反応を介する慢性的な皮膚症状を指し、機序が異なります。
厚生労働省は、「医薬部外品・化粧品の光安全性試験評価体系に関するガイダンス」にて、紫外線(290〜700nm)を吸収する原料について、光毒性と光感作性の評価を求めています。「医薬品の光安全性評価ガイドライン(ICH S10)」も参考文献として挙げられています。
以下は、医薬部外品・化粧品における光安全性評価の一般的なフローです。
マウス由来の3T3細胞を用い、光照射後の生存率を評価する試験で、OECD TG432に準拠した手法です。
光照射により生じる活性酸素種(ROS)を蛍光等で定量するin vitro試験です。OECD TG495に準拠します。
難溶性物質や植物エキスは試験に不向きなことがあり、代替試験法の選定が求められます。動物実験の代替として、in vitro法の拡充も重要です。
光毒性リスクは製品開発の初期段階から戦略的に評価し、ガイドラインに沿った安全性確保が不可欠です。
最短7日間で校正完了光安全性の測定のご相談はこちら