旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
近年、LEDや紫外線(UV)を利用したランプ製品の普及に伴い、光が人体に与える影響への関心が高まっています。これに対応するため、JIS C 7550「ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性」が改正されました。本記事では、改正の背景、主な変更点、そして製品開発や使用者にとってのメリットについて解説します。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
LEDやUVランプの技術進化により、これらの光源を使用した製品が多様化しています。特にUV-Cを利用した殺菌灯を搭載する電気消毒器が急速に普及し、人体への影響が懸念されるようになりました。このような状況を受け、製品の安全性確保を目的として、JIS C 7550の改正が行われました。
JIS C 7550は、国際規格IEC 62471「ランプおよびランプシステムの光生物学的安全性」に基づいています。今回の改正では、国際的な安全基準との整合性を図り、国内外での製品の安全性評価の一貫性を確保することが目的とされています。
JIS C 7550では、光源からの放射が人体に与える影響を評価し、以下のリスクグループに分類します:
特に、免除グループに分類されるためには、以下の測定項目が基準値を超えないことが求められます:
測定項目 | 波長範囲(nm) | 評価対象 |
---|---|---|
ES | 200–400 | 目及び皮膚に対する紫外放射障害 |
EVUA | 315–400 | 目に対する近紫外放射障害 |
EB | 300–700 | 青色光による網膜傷害 |
LB | 300–700 | 小形光源の青色光による網膜傷害 |
JIS C 7605「殺菌ランプ」に基づき、製品には以下の警告表示が求められます:
これにより、使用者への注意喚起が強化されます。
製品のリスク評価と警告表示の明確化により、使用者の安全が確保されます。特に、UVランプを使用する製品において、目や皮膚への影響を最小限に抑えることが可能となります。
JIS規格に準拠することで、製品の信頼性が向上し、消費者からの信頼を得ることができます。また、国際規格との整合性も高まり、海外市場への展開もスムーズになります。
製造業者にとって、製品設計や評価における明確な基準が提供され、品質管理が容易になります。これにより、製品開発の効率化が期待されます。
JIS C 7550の改正は、ランプおよびランプシステムの光生物学的安全性を確保するための重要なステップです。製品の安全性評価の明確化と警告表示の義務化により、使用者の安全が向上し、製品の信頼性も高まります。製造業者は、改正内容を正確に理解し、製品設計や評価に反映させることが求められます。
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