【2026年最新】JIS改定速報:光安全性規格の変更点と実務対応

JIS Q 17025(ISO/IEC 17025)認定校正機関

この記事の監修

山西 幸男

旭光通商株式会社 取締役

山西 幸男

光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。

2026年1〜2月に施行された最新JIS改定の概要と、経産省が推進する「規格総ざらいレビュー」が製造業の実務に与える影響を解説。光安全性・電気安全規格の変更点と対応チェックリストをまとめました。


2026年1〜2月、経済産業省は複数のJIS規格を官報公示した。光安全性・電気安全分野では国際規格(ISO/IEC)との整合化が加速しており、旧規格を設計・認証・契約に使い続けると手戻りリスクにつながる。また経産省が推進する「規格総ざらいレビュー」により、時代遅れの国内固有規格が廃止・統合される動きが加速している。規格改定に気づかずに製品設計や認証申請を進めると、取得フェーズで大幅な修正が必要になるケースもある。本記事では最新の改定動向と、実務担当者が今すぐ着手すべき対応を整理する。

この記事でわかること

  • 2026年1月・2月に官報公示されたJIS改定の概要
  • 経産省「JIS規格の総ざらいレビュー」の目的と廃止リスク
  • 光安全性・電気安全関連規格への実務インパクト
  • 規格改定への備えとして有効なISO/IEC 17025認定校正の活用方法

2026年1月・2月施行のJIS改定:何が変わったか

1月分の主な制定・改正

経済産業省は2026年1月20日付で複数のJISを官報公示しました。改正JIS番号・内容の詳細は経産省ニュースリリース(2026年1月分)で確認できます。

改正の傾向として、以下が挙げられます。

  • 国際規格整合: ISO・IEC の最新版に追随した技術的改正
  • 用語・定義の現代化: 旧来の表現を国際標準用語に統一
  • 試験方法の明確化: 再現性確保のための測定条件追記

2月分の主な制定・改正

2026年2月20日付の官報公示においても複数の規格が制定・改正されています。詳細は経産省ニュースリリース(2026年2月分)を参照してください。

光安全性・電気安全性に関連する改正のポイント

光安全性に関連するJIS規格群(JIS C 7550、JIS C 6802 等)については、IEC 62471 および IEC 60825-1 の国際改訂サイクルに合わせた追従改正が進んでいます。

確認すべき規格群 関連国際規格 主な改正傾向
JIS C 7550(光生物学的安全性) IEC 62471 リスクグループ判定手順の明確化
JIS C 6802(レーザ製品安全) IEC 60825-1 アクセス可能放射限界値の更新
JIS Z 9110(照明基準総則) ISO 8995-1 LED対応、輝度設計基準の追記
JIS C 60598(灯具安全) IEC 60598 LED ドライバ要件の更新

: 上表の改正傾向は公開情報からの推定を含みます。各規格の確定的な改正内容は JISCデータベース(https://www.jisc.go.jp/)および METI ニュースリリースを一次情報として確認してください。


経産省が推進する「JIS規格の総ざらいレビュー」とは

5年見直しルールと「総ざらい」の違い

JIS 規格は制定または改正から 原則5年以内 に「使用状況等の確認」を行うことが産業標準化法で定められています。

「総ざらいレビュー」はこれとは別に、経産省が全 JIS 規格を横断的に精査し、時代遅れの規格を一括廃止・統合する取り組みです。国際規格との整合性が取れていない国内固有規格や、実態として利用されていない規格が主な対象となります。具体的な対象・スケジュールの最新情報はJISC ニュースで確認してください。

レビューの対象範囲と進捗状況

総ざらいレビューの対象は制定されている全 JIS 規格に及び、分野ごとに優先度を設定して段階的に見直しが進められています。電気・電子分野は IEC との整合化が加速しているため、比較的早期に着手されています。

廃止・変更リスクが高い規格の見分け方

以下に該当する規格は廃止・改正の可能性が高いため、優先的に確認が必要です。

  • 制定から 10年以上 経過しているが改正されていない
  • 対応する国際規格(ISO/IEC)の版が 2世代以上進んでいる
  • 国内固有の試験方法を規定しており、国際規格と重複している
  • JISCのデータベースで「確認中」フラグが立っている

実務への影響:国際規格整合が加速する背景

ISOとの整合化で何が変わるか

近年、経産省は JIS を国際規格の「翻訳規格」(IDT: 技術的同等規格)として制定するケースを増やしています。これにより:

  1. 試験方法の共通化: 国内向けと輸出向けで別々に試験する必要が減少
  2. 海外認証の相互参照: ILAC-MRA 参加国間での試験報告書の受け入れが容易になる
  3. 規格理解のグローバル化: エンジニアが ISO/IEC 原文を直接参照できる

旧規格のまま使い続けるリスク

製品仕様書・製造手順書・校正計画に旧規格番号が記載されたままの場合、以下のリスクが生じます。

リスク 影響度 発生タイミング
契約違反(最新規格要求の場合) 受注・検収時
認証審査での指摘 中〜高 第三者認証更新時
輸出先当局の不受理 通関・型式承認時
社内基準書との乖離 低〜中 内部監査時

改定に気づかず製品設計してしまうリスク

JIS が改正されても、旧版規格を参照した設計ツール・CAD テンプレートがそのまま使われるケースがあります。設計フェーズで旧規格を適用してしまうと、認証取得フェーズで大幅な手戻りが発生します。年に一度以上の規格バージョン確認が推奨されます。


改定への備え:ISO/IEC 17025認定校正の役割

規格改定と計量トレーサビリティの関係

規格が改正されると、試験・測定に要求される精度・不確かさの要件が変わることがあります。ISO/IEC 17025 認定を受けた校正機関が発行する校正証明書は改正規格への対応状況を反映しており、規格改正後も計量トレーサビリティの切れ目のない維持が可能です。

認定校正が実務で果たす役割

  • 改正された試験規格の最新測定要件に準拠した校正の実施
  • ILAC-MRA 加盟国間で有効な校正証明書の発行 → 輸出先での再校正不要
  • 規格改正に伴う不確かさ評価の見直しへの対応

よくある質問(FAQ)

Q1. JIS改定の施行後、既存製品はすぐに対応が必要ですか?

改定後の移行期間は規格・用途によって異なります。新規設計・新規認証申請では最新規格の適用が求められるケースが多く、既存製品については「適合確認義務の有無」を所管機関またはJISCに確認することが重要です。一律に「すぐに対応必須」とはいえないため、個別判断が必要です。

Q2. 「JIS規格の総ざらいレビュー」で廃止された規格を使い続けるとどうなりますか?

廃止規格を製品仕様書・認証書・契約書に記載している場合、契約上・認証審査上の問題が生じる可能性があります。廃止後は代替規格(多くは対応 ISO/IEC 規格)への移行が求められます。廃止情報はJISC の官報公示で確認できます。

Q3. 光安全性に関連するJIS規格でこの1年に改正されたものはどれですか?

2026年時点では JIS C 7550(光生物学的安全性)の改正動向、JIS Z 9110:2024(照明基準総則)の最新版への対応が実務上注目されています。詳細はJISC データベースの最新版で確認してください。


まとめ

  • 2026年1〜2月に複数のJISが施行。光安全性・電気安全規格では国際整合化が進行中
  • 経産省の「規格総ざらいレビュー」により、古い国内固有規格の廃止が加速
  • 旧規格を設計・認証・契約に使い続けることは契約リスク・手戻りリスクにつながる
  • ISO/IEC 17025 認定校正を活用することで、規格改正後も測定トレーサビリティを継続的に維持できる

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用語解説

用語 意味
IDT(Identical) JIS と ISO/IEC が技術的に同一の「翻訳規格」。国際規格との差異なし
MOD(Modified) 技術的な差異を明示したうえで ISO/IEC を採用した規格
ILAC-MRA 国際試験所認定協力機構(ILAC)の相互承認取決め。加盟国間で校正証明書が相互受け入れ可能
計量トレーサビリティ 測定結果を国家・国際計量標準に連続的に結びつけることができる性質
JIS総ざらいレビュー 経産省が全 JIS 規格を横断的に精査し、時代遅れ・重複規格を廃止・統合する取り組み
ISO/IEC 17025 試験所・校正機関の技術能力を規定する国際規格

一次情報・参考リンク

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