旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
近年、化粧品や医薬部外品における光毒性や光感作性に関する安全性評価は、消費者保護と規制遵守の観点から不可欠な要件とされています。本記事では、OECDの光安全性試験ガイドライン(TG 432・TG 495)に基づいた評価フローを詳細に解説し、改定ポイント、適用される製品事例、市場動向と今後の展望について専門的かつ実務的に整理します。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
OECD TG 432(3T3 NRU Phototoxicity Test)
Balb/c‑3T3マウス線維芽細胞を用い、UVA照射の有無による細胞生存率の差を基にPIF(Photo‑Irritation Factor)およびMPEで光毒性の有無を判定します。
OECD TG 495(ROS Assay)
試験物質に模擬太陽光を照射し、励起に伴う活性酸素種(ROS)の発生量を測定。ROS生成が光反応性の指標となります。
OECD TG 432は2020年に試験条件や品質基準の明確化を目的に更新され、TG 495も2019年に採択されました。また、2021年には3次元表皮モデルによるTG 498が導入され、動物由来細胞以外での評価の道も開かれています。
試験の委託先や評価指標の選定は、早期段階で製品の設計仕様とすり合わせる必要があります。また海外展開を見据えたSCCSとの整合性確保も重要です。
医薬部外品・化粧品における光安全性評価は、OECD TG 432・TG 495を中心に整備され、動物実験の代替法として定着しつつあります。今後は3次元表皮モデルや統合試験アプローチ(IATA)の導入が進む見通しであり、製品開発・承認取得・消費者保護の全てにおいて欠かせない評価項目です。
PIFPhoto Irritation Factor:照射/非照射間のIC50比 MPEMean Photo Effect:平均生存率差 RhEReconstructed Human Epidermis:再構築ヒト表皮モデル IATAIntegrated Approaches to Testing and Assessment:統合的試験評価法
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