旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
目次
光源製品や電気製品を扱う事業者にとって、PSEマークとCEマークはどちらも避けて通れない認証制度です。しかし、この2つは対象地域も法的根拠も大きく異なります。
この記事では、以下のポイントを実務視点で整理しました。
想定読者: LED照明・光源製品メーカーの品質保証担当者、製品安全担当者、海外輸出を検討している事業者
最も多い質問から回答します。
日本国内でのみ製品を販売する場合、CEマークの取得は法的に求められていません。CEマークはEU(欧州経済領域)域内で製品を流通させるための適合表示であり、日本の法制度とは別の枠組みです。
日本国内で電気用品を販売する場合に必要となるのは、電気用品安全法に基づくPSEマークです。
EU域内への輸出を行う場合は、CEマーキングが必要です。製品カテゴリに応じて、LVD指令(低電圧指令)、EMC指令(電磁両立性指令)、RoHS指令など、複数のEU指令への適合が求められます。
光源製品の場合は、これらに加えてEN 62471(光生物学的安全性)への適合も考慮する必要があるケースがあります。
日本国内での販売とEU域内への輸出を並行して行う場合は、PSEマークとCEマークの両方が必要となります。光源製品(LED照明等)の場合、日本側では電気用品安全法に基づくPSE、EU側ではLVD指令・EMC指令等に基づくCEマーキングがそれぞれ求められます。
両認証の試験項目には重複する部分もあるため、並行して準備を進めることで効率化が期待できます。
PSEマークは、日本の電気用品安全法(電安法)に基づき、電気用品の安全性を担保するために表示が義務付けられているマークです。
電気用品は「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」に分類されます。特定電気用品は登録検査機関による適合性検査が必要であり、それ以外の電気用品は届出と自主検査が基本的な手続きとなります。
PSEマークの形状も2種類あります。
CEマーキング(CE marking)は、EU域内で製品を流通させるために必要な適合表示です。「Conformite Europeenne(欧州適合)」の略とされています。
CEマーキングの対象は広範で、電気・電子機器、機械、医療機器、玩具、建材など多くの製品カテゴリが含まれます。製品ごとに適用される「EU指令」が異なり、それぞれの指令が定める必須要求事項(Essential Requirements)を満たす必要があります。
PSEマークは日本の法律(電気用品安全法)に基づく義務であり、日本国内で対象電気用品を販売する場合に必須です。
一方、CEマーキングはEU法(各種EU指令・規則)に基づく義務であり、EU域内で製品を上市する場合に必要です。
両者は法的根拠が異なるため、一方の認証を取得しても、もう一方が免除されるわけではありません。
| 比較項目 | PSEマーク | CEマーキング |
|---|---|---|
| 対象地域 | 日本国内 | EU(欧州経済領域) |
| 法的根拠 | 電気用品安全法(電安法) | 各種EU指令(LVD、EMC、RoHS等) |
| 対象製品 | 電気用品安全法で指定された電気用品 | EU指令で対象とされる製品全般 |
| 規制当局 | 経済産業省 | EU加盟国の市場監視当局 |
| 認証方式 | 届出制(特定電気用品は第三者検査必須) | 原則自己宣言(製品カテゴリにより第三者機関の関与が必要) |
| マーク形状 | ◇PSE(特定)、〇PSE(それ以外) | CEマーク(統一デザイン) |
| 主な準拠規格 | JIS規格(JIS C 8105等) | EN規格(EN 62471、EN 60598等) |
| 適合宣言 | 届出書・検査記録の保管義務 | 適合宣言書(DoC)の作成・保管義務 |
| 罰則 | 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金等 | EU域内での販売停止・市場からの撤去命令等 |
| 技術文書 | 検査記録の保管が義務 | 技術文書(Technical Documentation)の作成・保管が義務 |
| 光安全性関連 | JIS C 7550(IEC 62471対応)の試験が必要な場合あり | EN 62471に基づく光生物学的安全性評価が求められる場合あり |
以下のフローで、自社製品にPSE・CEのどちらの認証が必要かを判断できます。
【判断フローチャート】
STEP 1: 販売先の確認
製品を日本国内で販売するか?
はい → STEP 2へ
いいえ → STEP 3へ
STEP 2: PSEの要否
製品は電気用品安全法の対象品目に該当するか?
はい → PSEマークが必要
特定電気用品に該当するか?
はい → ◇PSEマーク(登録検査機関の適合性検査が必要)
いいえ → 〇PSEマーク(届出+自主検査)
いいえ → PSEマークは不要(ただし他の法規制を確認)
STEP 3: CEの要否
製品をEU域内で販売するか?
はい → CEマーキングが必要
適用されるEU指令を特定 → 整合規格に基づき適合評価
いいえ → CEマーキングは不要(ただし輸出先国の法規制を確認)
STEP 4: 両方の確認
日本国内販売 + EU輸出の両方を行う場合
→ PSEマークとCEマーキングの両方が必要
LED照明やランプなどの光源製品については、以下の追加確認が必要です。
光を使用する医療機器については、上記のPSE・CEに加えて、別途の医療機器規制が適用されます。
医療機器の場合は認証プロセスが大きく異なるため、専門の規制対応コンサルタントや認証機関に相談することを推奨します。
光を発する玩具やLEDを使用した消費者製品については、以下の規制も確認が必要です。
電気用品安全法では、電気用品を以下の2種類に分類しています。
品目の具体的な分類は、電気用品安全法施行令の別表で定められています。自社製品がどちらに該当するかは、製品仕様を確認の上、必要に応じて経済産業省や登録検査機関に確認することを推奨します。
PSEマーク取得の一般的な流れは以下の通りです。
光源製品の場合、一般的に以下のような試験項目が関連します。
具体的な試験項目は製品の種類・仕様によって異なるため、試験機関への事前相談を推奨します。
CEマーキングの最初のステップは、自社製品に適用されるEU指令を特定することです。光源製品・電気製品の場合、一般的に以下の指令が関連します。
適用指令を特定した後、各指令に対応する整合規格(Harmonised Standards)を確認します。整合規格に適合することで、指令の必須要求事項への適合が推定されます。
光源製品の場合の代表的な整合規格としては、以下が挙げられます。
全ての適用指令に対する適合性を確認した後、メーカー(またはEU域内の認定代理人)が適合宣言書(Declaration of Conformity: DoC)を作成します。DoCには以下の情報を含める必要があります。
光源製品のCEマーキングでは、EN 62471に基づく光生物学的安全性の評価が重要なポイントとなります。
EN 62471に基づく光安全性試験や試験機器の校正については、専門機関への相談を推奨します。
IEC 62471(EN 62471)に基づく光安全性試験や試験機器の校正も承っております。
校正依頼ガイドはこちら
これは誤解です。CEマーキングはEU指令への適合を示すものであり、日本の電気用品安全法とは別の法体系に基づいています。CEマークを取得していても、日本国内で対象電気用品を販売するためには別途PSEマークの取得が必要です。
これも誤解です。PSEマークは日本の電気用品安全法に基づく制度であり、海外の規制とは連動していません。EU域内への輸出にはCEマーキング、米国への輸出にはUL認証やFCC認証など、各国・地域の規制に応じた対応が必要です。
CEマーキングの多くの製品カテゴリでは、メーカーによる自己宣言(Self-declaration)が認められています。ただし、これは「試験や評価が不要」という意味ではありません。整合規格に基づく試験を実施し、適合を確認した上で宣言を行う必要があります。
一方、PSEマークの特定電気用品については、登録検査機関による第三者検査が義務付けられています。自己宣言のみでは対応できない点に注意が必要です。
なお、CEマーキングにおいても一部の製品カテゴリ(医療機器など)ではNotified Body(認証機関)の関与が必要です。
日本国内のみで販売する場合、CEマークは法的に不要です。CEマークはEU域内に製品を流通させるための適合マークであり、日本国内販売にはPSEマーク(電気用品安全法の対象製品の場合)が関連する制度となります。ただし、将来的にEU輸出を計画している場合は、設計段階からCEマーキングの要件を考慮しておくと効率的です。
日本国内での販売とEU域内への輸出の両方を行う場合は、PSEマークとCEマークの双方の対応が必要となります。光源製品(LED照明等)の場合、日本では電気用品安全法に基づくPSE、EUではLVD指令やEMC指令等に基づくCEマーキングが求められます。両認証の試験項目には重複部分もあるため、並行して準備することで効率化が可能です。
CEマーキングは、原則としてメーカー自身が適合宣言(Declaration of Conformity)を作成する「自己宣言方式」が基本です(一部の製品カテゴリでは第三者認証機関の関与が必要)。一方、PSEマークの取得には経済産業省への届出が必要であり、特定電気用品の場合は登録検査機関による適合性検査が義務付けられています。手続きの性質が異なる点に注意が必要です。
費用・期間は製品の種類や試験項目の数によって大きく異なります。一般的な目安として、いずれも試験費用と申請・届出の手続きを含めて数か月程度を要する場合が多いとされます。正確な費用と期間は、対象製品を明確にした上で試験機関に見積もりを依頼することを推奨します。
PSE認証とCE認証は、対象地域・法的根拠・認証方式が異なる別個の制度です。
まずは自社製品がどの法規制の対象となるかを正確に把握し、必要な認証を特定することが第一歩です。光源製品の場合は、電気安全性に加えて光安全性(IEC 62471 / EN 62471)の評価も重要な検討項目となります。
認証取得に必要な光安全性試験や測定機器の校正については、専門機関への早期相談が効率的な対応につながります。
※ 各規格・法令の最新版は、発行元の公式サイトでご確認ください。
光源製品のPSE・CE認証に必要な光安全性試験や校正に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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