旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
目次
LEDなど光源を使った新製品を開発する際、「規格名(IEC 62471・PSE・CEなど)は知っているが、実際に何を測ればよいのかがわからない」という段階の担当者向けに、光安全性評価で確認される代表的な物理量と、それぞれをどんな役割の測定機器で評価するのか、そして自社で測るか外部に依頼するかの考え方を整理します。
対象読者は、LED照明・UV機器・車載光源・電子機器の光源部品などを扱うメーカーの製品開発・設計・品質保証の担当者です。規格対応そのものの解説は既存記事に譲り、本記事は測定計画を立てる段階に的を絞っています。
要点(先に結論):光源を使った新製品では、放射照度・放射輝度・全光束・分光分布などの物理量が光安全性評価の対象になり得ます。これらは分光放射計・積分球システム・輝度計といった役割の異なる機器で測定されます。自社に測定設備がない場合は、ISO/IEC 17025認定を受けた試験・校正機関への外部委託が一般的な選択肢です。どの物理量を測るべきかは、適用される規格・製品用途によって異なるため、開発の早い段階での確認が推奨されます。
光源を使った製品の光安全性評価は、量産直前や販売直前になって初めて着手すると、後述のような手戻りが起きやすくなります。そのため本記事では、設計段階のうちに測定計画(何を・どの機器で測るか)まで検討しておくことを推奨します。自社製品の開発フローのどの段階で評価を組み込むべきかは製品・体制によって異なるため、判断に迷う場合は試験機関への早めの相談をおすすめします。
規格そのものの適用判断(どの規格が該当するか)については、製品カテゴリ別の考え方を整理した記事もあわせてご確認ください。
光安全性評価の文脈でよく登場する物理量には、次のようなものがあります。いずれも具体的な閾値・合否基準は規格原文の確認が必要であり、本記事では概念の整理にとどめます。
IEC 62471(JIS C 7550)は、光源の分光放射照度・分光放射輝度を測定し、UVハザード関数や青色光ハザード関数などの重み付け関数を掛け合わせて評価する考え方を採用しているとされます(サイト内「IEC 62471とは?」記事、および海外業界団体LightingEuropeの解説文書で確認)。具体的な波長範囲の区分(UV/可視/IR)や、リスクグループごとの数値基準(許容放射輝度・最大許容曝露時間など)は規格原文で規定されているため、正確な基準値は規格原文(有償)でご確認いただくか、試験機関にご相談ください。

全光束(光源が全方向に放つ光の総量)・配光特性(光の広がり方)は、照明器具としての基本性能を表す一般的な測光量です。安全性評価そのものとは目的が異なりますが、照明基準(JIS Z 9110・JIS Z 9125等)への適合確認や製品仕様の裏付けとして参照されることがあります。自社製品でどの測光量の確認が必要かは、適用される規格・製品用途により異なるため、判断に迷う場合は試験機関にご相談ください。

光源がどの波長にどれだけのエネルギーを持つかを示す分布です。IEC 62471の青色光障害(Blue Light Hazard)評価をはじめ、波長帯ごとのリスク評価の基礎データとして用いられます(前述のUVハザード関数・青色光ハザード関数による重み付け計算の元データとなる考え方です)。

上記はいずれも「評価の際に登場する代表的な物理量」の紹介であり、自社製品にどの項目が必要かは、適用規格・用途・販売市場によって異なります。個別の適用可否は規格の適用範囲(スコープ)条項をご確認いただくか、お問い合わせにてご相談ください。
具体的な製品名・型番の性能を断定するものではなく、「どんな役割を持つ機器か」という観点で整理します。詳しい機器の種類・特徴は測定機器の解説記事もあわせてご覧ください。
| 機器の役割 | 主に何を測るか |
|---|---|
| 分光放射計・分光放射照度計 | 波長ごとの放射量(分光分布)を測定する |
| 積分球システム | 光源全体の光出力(全光束など)をまとめて測定する |
| 輝度計・色彩輝度計 | 人の目に見える明るさ・色の見え方を評価する |
これらは役割が異なるため、評価したい物理量によって使う機器が変わります。どの機器が必要かは、適用規格と評価項目から逆算して判断しますが、自社での判断が難しい場合は、測定したい対象・目的を伝えたうえで試験機関に選定を相談する方法もあります。
自社製品にどの規格が適用されるかは、製品カテゴリ(照明器具・レーザ製品・UVC機器など)や販売市場によって異なります。まずは適用規格の確認から始めることになります。
| 観点 | 自社測定 | 外部委託 |
|---|---|---|
| 初期投資 | 測定機器・校正体制が必要 | 不要(依頼のたびに費用が発生) |
| 頻度 | 開発・量産で頻繁に測定する場合に向く | スポット的な評価・少量開発に向く |
| 信頼性の担保 | 自社での校正管理体制が必要 | ISO/IEC 17025認定機関なら第三者性・トレーサビリティを確保しやすい |
どちらが適しているかは、開発頻度・社内の測定体制・コストのバランスで判断することになります。自社の状況でどちらが向くか判断がつかない場合は、想定される測定頻度・項目を伝えたうえで試験機関に相談すると、体制面での見通しを得やすくなります。
一般的には、次のようなステップで進みます。具体的な流れ・所要期間は依頼先によって異なるため、事前相談での確認が必要です。
測定に使う機器が校正されていること(トレーサビリティが確保されていること)は、評価結果の信頼性に関わる重要なポイントです。校正済み機器を使うISO/IEC 17025認定機関を選ぶという考え方もあります。
Q1. LEDを使った新製品を出す前に、必ず光学測定が必要ですか?
A1. 適用される規格や販売市場(国内向け・輸出向けなど)によって必要な試験項目は異なります。一般に光源を用いた製品はIEC 62471(JIS C 7550)等の光生物学的安全性評価の対象となる場合がありますが、自社製品が該当するかどうかは、規格の適用範囲(スコープ)条項をご自身でご確認いただくか、お問い合わせにて製品仕様・用途をお伝えのうえご相談ください。
Q2. 分光放射計や積分球がなくても対応できますか?
A2. 自社に測定設備がない場合は、ISO/IEC 17025認定を受けた試験・校正機関への外部委託が一般的な選択肢です。測定対象の物理量や必要な精度に応じて依頼先・機器が変わるため、事前の相談で測定範囲を確認することをおすすめします。
Q3. 測定から認証取得まで、どのくらいの期間・費用がかかりますか?
A3. 製品の種類・試験項目数・依頼先によって幅があり、本記事では一般的な目安を断定できません。具体的な期間・費用感は個別見積りが必要なため、開発スケジュールが固まる前の早い段階で、お問い合わせから試験機関に相談することを推奨します。
新製品に使用する光源の光安全性測定・評価について、測定範囲や依頼の進め方からご相談いただけます。
具体的な測定・校正のご依頼は、旭光通商 光学試験校正室の
光源・測定機器の校正サービスもあわせてご確認ください。
本記事は上記の公開情報および一般的な光安全性評価の考え方に基づく解説です。適用規格・測定項目・閾値の具体値、自社製品への適用可否は、規格原文(正式な購入版)および試験・校正機関への確認・ご相談によってください。
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