可視光とは?光の種類一覧|UV・可視光・赤外線の波長と特性

JIS Q 17025(ISO/IEC 17025)認定校正機関

この記事の監修

山西 幸男

旭光通商株式会社 取締役

山西 幸男

光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。

この記事でわかること

光には多くの種類があり、私たちが「見える光(可視光)」はそのごく一部にすぎません。本記事では、可視光・紫外線(UV)・赤外線(IR)を中心に、光の種類と波長帯ごとの特性・用途・人体への影響を整理します。

LED照明・光源製品を扱う設計者・品証担当者から「光とは何か」を改めて学びたい方まで、実務の出発点として活用できる内容です。

要点まとめ:可視光は波長約380〜780nmの電磁波。紫外線はそれより短波長(おおよそ100〜400nm)、赤外線は長波長(780nm〜)。波長によってリスクの種類と適用される安全規格が異なります。


光の種類一覧と波長帯

光は電磁波の一種で、波長によって異なる性質を持ちます。以下に主な光の種類と特性をまとめます。

光の種類 波長帯(目安) 主な特性 代表的な用途
UV-C(遠紫外線) 100〜280 nm 殺菌力が強い・大気中でほぼ吸収 殺菌装置・医療器具除染
UV-B 280〜315 nm 皮膚紅斑・DNA損傷 光線療法・日焼け研究
UV-A 315〜400 nm 皮膚の深部へ浸透・光老化 ブラックライト・光硬化
可視光 380〜780 nm 人の目で見える光・色として認識 照明全般・ディスプレイ・LED
近赤外線(NIR) 780〜1400 nm 目に見えないが熱を生む・組織浸透 リモコン・赤外線カメラ・光線治療
中赤外線(MIR) 1400〜3000 nm 水に強く吸収・加熱作用 暖房器具・食品加熱
遠赤外線(FIR) 3000 nm〜 輻射熱・熱伝達 サウナ・農業用加熱

波長の数値は参考値であり、各規格・文献によって定義が異なる場合があります。


可視光とは?その特性と範囲

可視光とは、人の目が感じ取れる電磁波のことです。波長はおよそ380〜780nmの範囲とされています。

色と波長の関係

可視光の波長と色の対応は次のとおりです。

おおよその波長
380〜430 nm
430〜490 nm
490〜550 nm
550〜590 nm
590〜630 nm
630〜780 nm

短波長の青・紫は高エネルギー、長波長の赤は低エネルギーです。この違いは、光の安全性評価において重要な意味を持ちます。

可視光のリスク:ブルーライトハザード

青色光(380〜500nm付近)はブルーライトハザード(BLH)と呼ばれる網膜障害リスクに関係します。長時間・近距離での青色LED照射は注意が必要です。光安全性規格 IEC 62471 では、この波長帯のリスクグループ評価が規定されており、光源製品の安全評価で広く参照されています。


紫外線(UV)とは?UV-A/B/Cの違い

紫外線(Ultraviolet:UV)は可視光より短波長で、人の目では見えません。UV-C、UV-B、UV-Aの3つに大別されます。

UV-C(100〜280 nm)

  • 殺菌効果が最も強く、微生物のDNA・RNAを直接損傷します
  • 太陽光はオゾン層にほぼ吸収されるため地上に届きにくいですが、人工UV-C光源(殺菌灯)は直接被曝のリスクがあります
  • 眼への影響:光角膜炎(電気性眼炎)・水晶体障害
  • 皮膚への影響:紅斑・熱傷リスク(高照度時)

UV-B(280〜315 nm)

  • ビタミンD生成に関与する一方、過剰照射は皮膚がんリスクと関連するとされています
  • 光線療法(乾癬・白斑の治療)などの医療応用があります

UV-A(315〜400 nm)

  • 皮膚の深部(真皮層)に到達し、光老化・シワの原因となります
  • 光硬化樹脂・歯科用光重合、ブラックライト検査などに広く使われます

赤外線(IR)とは?近赤外・遠赤外の違い

赤外線(Infrared:IR)は可視光より長波長で、「熱線」とも呼ばれます。

近赤外線(NIR:780〜1400 nm)

  • 生体組織への浸透性が高く、低出力レーザー治療(LLLT)や蛍光イメージングに使われます
  • 高出力の場合、網膜熱ハザードのリスクがあります
  • スマートフォンのフェイスID、赤外線カメラにも利用されます

中赤外線〜遠赤外線(1400 nm〜)

中赤外線(MIR:1400〜3000 nm)と遠赤外線(FIR:3000 nm〜)は熱的特性が近いため、ここではまとめて解説します。

  • 水分子に強く吸収されるため、角膜や皮膚の表面に熱エネルギーを与えます
  • 産業用加熱・乾燥装置、遠赤外線サウナなどに使われます

光の種類と人体リスク・適用規格の概要

光の種類によってリスクの性質と適用される安全規格が変わります。

光の種類 主な人体リスク 主な適用規格(参考)
UV-C 光角膜炎・DNA損傷・紅斑 IEC 62471(UV放射ハザード)
UV-B / UV-A 光老化・皮膚障害・眼障害 IEC 62471
可視光(青色) ブルーライトハザード(BLH)・網膜障害 IEC 62471 / IEC 62471-7
近赤外線(NIR) 網膜熱ハザード・白内障リスク IEC 62471 / IEC 60825-1(レーザーの場合)
レーザー(全波長) クラスに応じた眼・皮膚障害 IEC 60825-1 / JIS C 6802

適用規格は製品の光源種別・用途・市場によって異なります。最終的な適用規格の判断は試験機関または専門家にご確認ください。


LEDとレーザーの光の種類との関係

LED(発光ダイオード)

LEDは特定の波長帯を中心に発光します。白色LEDは青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせたものが一般的で、スペクトルに青色成分が含まれます。UV-A〜可視光〜NIRにわたる広い波長帯に対応したLEDが製品化されています。

IEC 62471では、LEDを含む非レーザー光源のリスクグループ評価(RG0〈免除クラス〉〜RG3〈高リスク〉の4段階)が規定されています。

レーザー

レーザーは単一波長のコヒーレント光(位相が揃い、エネルギーが一点に集中しやすい光)で、指向性・エネルギー密度が極めて高いため、IEC 60825-1(JIS C 6802)によるクラス分類(クラス1〜クラス4)が必要です。可視光・NIR・UV域にわたる多様なレーザーが存在します。


よくある質問(FAQ)

Q1. 可視光とは何ですか?簡単に教えてください。

可視光とは、人間の目で認識できる光の帯域で、波長はおよそ380〜780nmの電磁波です。この範囲の光が「赤・橙・黄・緑・青・紫」として見えます。この範囲より短波長側が紫外線、長波長側が赤外線です。

Q2. 紫外線と赤外線の違いは?

紫外線(UV)は可視光より波長が短く(おおよそ100〜400nm)、殺菌や光化学作用など高エネルギーの反応を引き起こします。赤外線(IR)は可視光より波長が長く(780nm〜)、熱放射・組織浸透の特性を持ちます。どちらも目には見えません。

Q3. 光の種類によって安全規格が変わるのですか?

はい、変わります。レーザーはIEC 60825-1(JIS C 6802)、LED・ランプなどの非レーザー光源はIEC 62471が主な適用規格です。医療・美容機器では IEC 60601-2-57 も参照されます。適用規格の選定は製品の光源種別・用途・販売市場によって異なるため、試験機関への事前確認をお勧めします。

Q4. 光の種類と波長を一覧で確認できる図はありますか?

本記事の「光の種類一覧と波長帯」表をご参照ください。詳細は IEC 62471 や JIS C 7550 の公式文書をご確認ください。


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参考文献・参考規格

IEC 62471:2006(非レーザー光源の光生物学的安全性)、JIS C 7550:2012、IEC 60825-1:2014(レーザー安全)、JIS C 6802:2025(レーザー製品の安全性)(各一次情報は公式サイト・IECウェブストアで確認してください。[要一次情報確認])

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