旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
IEC 62471の試験報告書を受け取ったら何を確認すべきか。リスクグループ(RG)判定の読み方、ハザード別測定値の解釈、10項目チェックリスト、不適合時の対処フローを品質管理・R&Dエンジニア向けに解説します。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
規格・試験情報のご確認について: 本記事はIEC 62471試験報告書の読み方を情報提供目的で解説しています。リスクグループ判定の具体的な基準値・規格本文の詳細についてはIEC Webstoreにて規格本文をご確認いただくか、認定試験機関にご相談ください。
試験機関からIEC 62471の試験報告書が届いたとき、どこを見ればよいか迷う担当者は多くいます。この記事では、報告書の基本構成・リスクグループ(RG)判定の読み方・不適合時の次のステップを、品質管理担当者とR&Dエンジニアが実務で使える形で解説します。
この記事でわかること
IEC 62471に基づく試験報告書は、試験機関によってフォーマットが異なりますが、主要なセクションは共通しています。
まず確認すべきは、試験機関の識別情報です。
測定結果を正しく解釈するために、試験条件の確認は欠かせません。
核心部分です。ハザード別(ブルーライト・UV・IR・網膜熱等)に測定値と限界値が記載されます。
IEC 62471はリスクグループ(RG)を4段階で分類します。
| リスクグループ | 略称 | 意味 |
|---|---|---|
| Exempt(免除) | EX | 限界値以下。制限なしに使用可能 |
| Risk Group 1 | RG1 | 低リスク。適切な使用条件下で安全 |
| Risk Group 2 | RG2 | 中リスク。使用条件の制限・警告表示が必要なケースがある |
| Risk Group 3 | RG3 | 高リスク。専門家向け用途・厳格な使用制限が必要 |
1つの光源に対して、複数のハザードカテゴリ(青色光ハザード・網膜熱ハザード・UV曝露など)が個別に評価されます。最も高いRGが製品全体のリスクグループとなります。報告書では各ハザードの測定値(E または L)と限界値(ELim または LLim)の比率(Hazard Quotient)が確認できます。
Hazard Quotient(HQ)= 測定値 / 限界値
受領した試験報告書を確認する際の10項目チェックリストです。
中間チェック: 報告書の確認項目で不明な点がある場合は、試験機関や旭光通商へ事前相談としてご連絡ください。測定相談のご案内
HQが1.0を超えているハザードに対して、光束削減・遮光構造の追加・光学フィルターの使用などの設計変更で対応します。どのハザードがどの程度限界値を超えているかを確認し、設計変更の優先順位を決めます。
設計変更が困難な場合、使用距離の規定・使用時間の制限・対象ユーザーの限定(専門家向け)などの使用条件で対応します。制限事項は製品仕様書・取扱説明書に明記します。
RG2以上の判定が出た製品では、市場や規制要件に応じた警告ラベルの貼付が求められるケースがあります。IEC 62471-7やEN 62471では具体的な表示文言例が規定されています。実際の表示要件は販売市場の規制と照合してください。
RG1は「適切な使用条件の下では安全に使用可能」な分類です。販売禁止を意味するものではありません。用途・市場・規制によっては警告表示や使用条件の記載が必要になるケースがありますが、一般的な一般照明用途ではRG1以下が目標となります。
設計変更(光束の調整・遮光構造の変更など)または使用条件の制限(使用距離・時間の規定)による対応が一般的です。HQと限界値の差分を確認し、どのハザードがどの程度超過しているかを把握した上で、試験機関と改善方針を協議することを推奨します。旭光通商では再試験に向けた設計変更相談にも対応しています。
IEC 62471報告書自体に法定の有効期限はありません。ただし、規格の版が改正された場合・製品仕様(LEDチップ変更・回路変更等)が変わった場合・輸出先市場の要件が変わった場合は、報告書の再取得が必要になるケースがあります。「報告書を取ったが何年前のものか分からない」という場合は試験機関に確認することを推奨します。
IEC 62471試験報告書を受け取ったら、試験機関の認定情報・適用規格版・ハザード別HQ・最終RG判定の順に確認します。RG1以上の判定が出た場合は設計変更または使用条件制限で対応し、必要に応じて再試験を依頼します。
関連記事
試験報告書の内容に不明な点がある場合や、追加測定・再試験のご相談は旭光通商 光学試験校正室へ。ISO/IEC 17025認定機関として、測定条件の確認から再試験の依頼まで対応しています。
最短7日間で校正完了光安全性の測定のご相談はこちら