旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
医療機器・美容機器メーカーが光安全性試験を依頼する前に整理すべき仕様情報、LED/UV/レーザー別の測定ポイント、PMDA相談前チェック項目を実務担当者向けに解説します。
この記事の監修
旭光通商株式会社 取締役
山西 幸男
光学技術製品の国際貿易におけるリーディングエキスパートとして、多くの日本企業の海外市場への進出をサポートしてきました。光安全性リスク評価の分野においても深い知識を有し、製品の国際基準適合性を確保するためのコンサルティングサービスを提供しています。
目次
「光安全性試験を依頼したいが、何を準備すればよいか分からない」という相談は医療機器・美容機器メーカーから多く寄せられます。
この記事では、光源搭載の医療・美容機器を開発する企業が、試験機関への依頼前に整理すべき仕様情報・測定条件と、LED/UV/レーザー別の確認ポイントを解説します。
一般製品(照明器具・産業用機器等)向けの試験前準備については「光安全性試験で不適合になりやすい5つのパターンと対策」もあわせてご参照ください。
光安全性試験では、製品から発せられる光が使用者・患者・周囲の人にとって安全な範囲内であるかを評価します。評価の基準は使用する光源の種類によって異なります。
| 光源種別 | 主な適用規格 | 評価の中心 |
|---|---|---|
| LED・ランプ・IPL(非レーザー) | IEC 62471 | 光生物学的ハザード(UV・BLH・網膜熱・IR等)のリスクグループ分類 |
| レーザー光源 | IEC 60825-1 / JIS C 6802 | レーザークラス分類・AEL・NOHD |
| 非レーザー光源(医療・美容目的) | IEC 60601-2-57 | 医療・美容機器固有の安全要件 |
試験の結果は「クラス分類」「リスクグループ」という形で製品の安全性レベルを示します。この結果が薬事申請書・技術文書・製品ラベルに反映されます。
試験機関への初回相談・試験依頼前に以下の情報を整理しておくと、測定条件の確定がスムーズになります。
| 情報項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 光源の種類 | LED / ランプ / レーザー / IPL / UV-C 等 |
| 発光波長(nm) | ピーク波長・発光波長範囲 |
| 最大出力(mW/W) | 連続光・パルス光のピーク/平均 |
| 照射対象 | 皮膚 / 眼 / 空間 / 物体表面 |
| 想定使用者 | 医療従事者 / 患者 / 一般消費者 |
| 使用環境 | 医療機関 / 美容サロン / 家庭 等 |
| 情報項目 | 重要な理由 |
|---|---|
| 最小使用距離(mm/cm) | 評価距離の設定に直結する |
| 1回の照射時間(秒) | 時間積分値の評価基準になる |
| インターバル・使用回数 | 累積曝露量の評価に影響する |
| 光学系の構成 | レンズ・フィルター・拡散板の有無が評価値を変える |
| 照射面積(cm²) | 熱ハザードの評価に必要 |
| 皮膚タイプへの対応 | IEC 60601-2-57の要件に関連 |
分光放射照度(SPD)の事前取得が重要です。 SPDがあれば、評価すべきハザードの種類(UV・BLH・網膜熱・IRのどれが該当するか)を試験前に整理できます。
確認すべきポイント:
ビーム特性の整理が必須です。 出力だけでなく、ビーム径・発散角・パルス条件がレーザークラスの決定に大きく影響します。
確認すべきポイント:
漏れ光の評価範囲の設定が重要です。 製品外部への漏れ光を、保守作業時の最近接距離も含めて評価設計します。
確認すべきポイント:
試験完了後のレポートでは、以下の内容が薬事申請や技術文書に必要な情報として含まれているか確認します。
光安全性の相談は、仕様が完全に確定してからでなくても可能な場合があります。
試作前・試作初期段階のメリット:
Q1. 海外試験機関のレポートは国内の薬事申請で使えますか?
試験機関のISO/IEC 17025認定スコープ・試験方法・試験条件が適切であれば、海外試験機関のレポートが国内申請で参照できる場合があります。ただし、PMDAへの申請では個別に確認が必要です。
Q2. 試験機関を選ぶ際に確認すべきことは何ですか?
主な確認事項として「ISO/IEC 17025認定の取得有無」「認定スコープに対象規格が含まれているか」「医療機器向け試験の実績」があります。詳しくは「光安全性測定器の校正ガイド|JCSS認定から校正証明書まで」をご参照ください。
Q3. 試験依頼から結果レポートまでどのくらいかかりますか?
試験機関・試験内容・製品の複雑さによって大きく異なりますが、一般的には数週間〜数か月程度かかる場合があります。スケジュールへの影響を防ぐため、早期に試験機関と日程を相談することを推奨します。
IEC 62471:2006, IEC 60825-1:2014, IEC 60601-2-57:2023, ISO/IEC 17025:2017(各一次情報は公式サイト・IECウェブストアで確認してください。)
試験依頼前チェックリストをもとに、
必要な測定項目と評価規格を整理します。
仕様書・波長・出力が分かれば初期整理が可能です。
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